待ちに待ったこの日
長居での劇的なゴールから2ヶ月とちょっと。
昇格を決めた時はとてもまだ先に思えたJ1の開幕があっという間にやってきた。
「J2史上最強の3位」という触れ込みや、井原監督の知名度のおかげもあり、ちょくちょくテレビに取り上げられて注目度があがってきたことを感じさせる2016年のアビスパ。
少なくてもサッカーファン的には「誰がいるの?」というチームではなく、井原監督が率いており、リオ五輪最終予選メンバーの亀川がいるということはここ最近のメディア情報できっと刷り込まれた(はず)。
我々サポーターにとっても、2011年以来の5年ぶりのJ1。
前回のJ1挑戦は、前年からの戦力の上積みがなく、むしろ流出の影響のほうが大きかったのではないかという状況でのJ1。
今回は、J2の後半戦でのぶっちぎりの成績に加えて、まずまずの手堅い補強も出来ており、「きっとできるはずだ」という想いを持って今日この日を迎えた。
そして開幕戦の相手は因縁の鳥栖
対する鳥栖は、監督がFC東京を率いており、堅い守備を植えつけたフィッカデンティに代わり、藤田や水沼といった主力選手も移籍し、チームが変わろうとしている段階。
成熟度でいうとどちらもそこまで大きく変わらないと思われる。
この試合は、昔から何かと因縁のある九州ダービー。
SNS上でもサポーターの熱い思いが溢れでており、いきなり「絶対に負けられない戦い」でのJ1復帰戦となった。
スタメン
この日のフォーメーションは、昨年の基本フォーメーションである、3-4-3(3-6-1)。
トップのウェリントンを中心に、城後、金森の2シャドー。
中盤より前の選手はお馴染みの選手だが、DF、GK陣で昨季からのメンバーは濱田のみ。
守備の連携がうまくとれるかどうかが大事になってくる初戦であった。
開始早々の失点
開始早々からイエローカードが2枚出て、熱くなる試合。
主審の村上氏のゲームコントロールに疑問がわくなか、開始早々の8分に失点。
このハイライトには出てこないが、この1つ前のプレーでキムヒョヌンがボールを奪取した後に不要なドリブルを自陣ではじめてしまい、そこをカットされたところからの一連のプレーで失点。(カット自体はファールに見えたが・・)
失点の前のスローインの時にもキムヒョヌン、北斗、城後のマークの付き方が甘く、楽にクロスをあげさせてしまっている。(中でついている實藤に責任を負わせるのは少し酷か)
開始早々に、連携にまだ不安があるところを突かれた失点。
「堅守速攻」を売りにしているチームが先に失点をしてしまうと非常につらい。
鳥栖にいいように中盤を使われる前半
鳥栖のシステムは高橋をアンカーにしたボックス型のシステム。
中盤の選手はこう攻撃の際にそこまでサイドに張るわけではないので、中盤が相手の4枚に対して末吉、惇しかいないというミスマッチが起きてしまっていた。
ボールをつなごうにも相手がすぐに寄せるし、守備の際にはまったく相手をつかまえることができず、やりたい放題にされていた。
そもそもこのシステムの時には守備の際にはほぼ5バックとなって守るので、その1段階前(相手のサイドバック、低い位置のサイドハーフ)に対して、シャドーの2人が見ないといけない。
つまり守備の時には5-4-1となって、ボランチの横のサイドのスペースをFWが見ないといけないという非常に負担がかかる戦術。
走力があり、バランスをとるタイプである城後は比較的右サイドにちゃんと戻るのだが、金森は中途半端な位置取りのことが多く、そのギャップを突かれて、やりたい放題だった。
井原監督もそのことに気づき、前半25分頃から2トップにして金森は攻撃に専念。
城後はトップ下というよりも3ボランチ気味に構えて中盤のバランスを取り戻すことに専念。
結果、そこからは流れがよくなり、途中からリズムを取り戻して前半終了。
流れを取り戻した後半開始直後に失点
仕切りなおしてさあいくぞ、となった後半開始早々にまたミスが絡み、失点。
ロングスローの流れから攻め込んでいるところで、後ろに戻ってきたボールを實藤が中途半端に前線に送り、パスをつながれて、ハーフウェイラインから独走許す・・
實藤の軽率なパスミス、さらにその後も一発でタックルに行きパス繋がれる、鈴木惇のポジショニングミス、とこれだけミスを重ねたらそれは失点してしまう。J1では絶対にやってはいけないミス。
その後ウェリントンのゴールで一点返すも
67分に坂田、平井を投入。
その直前に金森の絶好機を外したのは痛かった。金森はヘディングでの絶好機とポスタ直撃のシュートの2本のどちらかを決めたかった。。
ウェリントンのゴール。相変わらず強い。
アディショナルタイムには、平井→坂田→ウェリントンとつないでペナルティエリア内でフリーになる絶好機があったものの、ループシュートは不発に終わってしまう。
かなり余裕がある状況だっただけに、この決定機は決めて欲しかった・・・
そのまま、試合終了。悔しい敗戦となった。
試合総評
システムを変更してからは五角以上にやれていて、決定機は多く作り出した。
ただ、ミスでの失点と、決める時に決めることが出来ない、というのはJ1においては致命的な欠点。
ここでの反省を活かして、今後の勝ちにつなげたい。
選手評(6.0が基準)
GKイボムヨン 5.5:評価できる場面があまりなかった。ハイボールには自信を見せた。
DFキムヒョヌン 4.5:パスミスが多く、判断も遅かった。対人の強さも発揮できず。
DF濱田 5.0:DFリーダーとして新メンバーをまとめるのは難しかったか。また、豊田の高さに苦戦。
DF實藤 4.0:2失点ともに絡む。特に2失点目のミスは痛い。
MF鈴木 5.5:前半最初は消えていたが徐々にロングボールで存在感を出した。
MF末吉 4.0:ありえないパスミスが多く、チームのリズムを失わせていた。プレシーズンマッチ以来、コンディションが整っていない印象。
MF中村北斗 5.5:J1でまだまだやれることを見せた。しかし、攻撃時はスムーズなビルドアップはできず。
MF亀川 5.0:仕掛けの際にボールタッチをミスすことが多く、らしさを出すことできず。途中より腰を痛めて、さらに持ち味出せず。
FW城後 5.0:ポジションを2回変え、チーム最多の走行距離を記録したが、インパクトを残せず。
FW金森 4.5:積極的な仕掛けが目立ったが2度あった決定機は決めておきたかった。
FWウェリントン 6.0:さすがの強さ。下がり過ぎたり、サイドに張りすぎていた時間帯は良くなかった。
(途中出場)
FW坂田 6.0:相変わらずの運動量で活性化。ただ、ボランチあたりまで下がる必要はない。
FW平井 5.0:一度裏に抜けだしたらしさだけ、相変わらず消えることが多い。
FW邦本 4.5:ボランチでの起用も、ボールロストが多く、せめてもう一列前で使いたい。
残念だったが、ある程度は通用することが分かった初戦。
次はホーム開幕戦で勝利を願う!
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